1. 更年期とは?
更年期(menopause transition)は、女性の生殖機能が終息へ向かう時期を指し、一般的には閉経の前後5年間(計約10年間)を指します。日本人女性の平均的な閉経年齢は約50歳です。
2. 更年期障害の定義と原因
● ホルモンの急激な変化
最大の要因は、卵巣からのエストロゲン(女性ホルモン)分泌の急激な低下です。
このホルモン変動により、視床下部・下垂体・自律神経系に混乱が生じ、以下のような多様な不調が引き起こされます。
3. 主な症状
身体的なもの
ホットフラッシュ(ほてり・発汗)
動悸・息切れ
めまい・耳鳴り
関節痛・筋肉痛
肩こり・腰痛
手足のしびれや冷え
精神的なもの
イライラ・抑うつ・不安感
集中力・記憶力の低下
不眠(中途覚醒・早朝覚醒)
興味関心の喪失(アパシー)
4. 脳・神経との関係性
● 自律神経の乱れ
エストロゲンは、視床下部や延髄の自律神経中枢の機能を安定化させています。そのため急激な減少によって交感・副交感神経のバランスが崩れ、血管拡張・収縮の制御異常や体温調節障害が起こります。
● セロトニン・ドーパミン系への影響
エストロゲンは、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の分泌調整にも関与しています。そのため、精神症状や気分障害にもつながりやすくなります。
5. 更年期障害の個人差
症状の強さ・種類には大きな個人差があります。主な要因は以下の通りです。
体質・遺伝的要因
生活環境やストレスの有無
過去の出産・授乳経験
性格(真面目・几帳面な人ほど重くなる傾向)
栄養状態や腸内環境
6. 診断と治療法
● 診断
問診(Kuppermanスコアなど)
血中のホルモン値(FSH、LH、E2など)
● 主な治療法
ホルモン補充療法(HRT):エストロゲン製剤などで症状を緩和
漢方薬:加味逍遥散、桂枝茯苓丸など
向精神薬:抗不安薬や軽度の抗うつ薬
生活指導・運動・睡眠・栄養改善
7. 栄養との関係(簡単に)
ビタミンE・B6・マグネシウムなどはホルモン代謝や神経機能に関与
大豆イソフラボンはエストロゲン様作用を持ち、補助的に働く
鉄・亜鉛・DHAなども神経伝達や認知機能に影響する
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